子育てに関わる保育士・看護師・学校教諭や主婦の方などに、豊かな子育てを指南できる「育児の専門家」としての知識とスキルを学びます。
保育者・教育者・指導者として、さらに深く、専門的に学び、それを伝えるスキルを身につける
『育児セラピスト前期課程(2級)』では、保育者、養育者として、実際に子どもと関わる上で、身に付けておきたい育児知識や子どもの発達の知識と、日常の子育ての中でアタッチメントを育む営みを、実践者として学びました。さらに、子どもと接する上で必要な「心の余裕」を生むことの重要性を学びました。
育児セラピスト後期課程(1級)では、前期課程(2級)で身に付けた実践的知識やスキル、体験についての学術的根拠と裏づけを、さらに専門性を高めた領域において学びます。「育児の専門家」として、子どもの「発達や子育てにおける専門知識」を身に付け、それらを親に伝え指南するための「伝えるスキル」を身に付けるだけでなく、育児における癒しと心のバランスの提供者として、専門性を持った活動をしていくための知識とスキルと方法論を身に付けます。
いま、子育ての現場で必要とされている
『育児の専門家』の役割
育児セラピスト後期課程(1級)は、「育児の専門家」であり、お母さんをはじめとする養育者たちの「セラピスト」でもあります。その専門性を裏付けるために、心理医学、発達心理学、社会学、コミュニケーション学のそれぞれにおける専門知識をより深く専門的に学びます。
この背景には、保育士や看護師、助産師、そして子育て支援に携わる方々の切実なニーズが横たわっています。それは、「対親力」という表現に集約される知識とスキルです。
一昔前なら「こうすると良いですよ」という行動レベルのアドバイスが成立していたのに、いまのお母さんは「なぜ、そうすると良いのか(悪いのか)」について根拠を持って答えてあげないと、理解も納得もしてくれません。
インターネット社会である現代は、あらゆる情報を簡単に手に入れることが出来ます。親御さんたちも、当たり前に専門用語について語るようになり、私たちがする育児アドバイスについての根拠を求めたりします。
あるいは、何かを伝える上でも、伝え方や言い方、伝える順番を間違えてしまうと、すぐにクレームになってしまったり、親がモンスター化してしまったりする緊張感が、常に現場に存在しています。
それらは、画一的な「対応マニュアル」で対応できるものではなくなっています。むしろ、親ひとり一人に応じて対応を変える必要性があります。
こうした親と円滑に接し、対応するために必要な能力を、当協会では「対親力」と表現しています。
この「対親力」を身に付けることが、これからの「育児の専門家」としての役割を担う人材に必要不可欠な能力であり、育児セラピスト後期課程(1級)で、多様な知識とスキルを修める背景です。
10年前の“あたりまえ”は、いまや、“あたりまえ”ではなくなっている
育児セラピスト後期課程(1級)は、2023年より正式にカリキュラムを全面リニューアルしました。
本来、われわれ日本アタッチメント育児協会の講座内容はすべて、「100年前も、今日も、100年後も変わらないもの」であることが原則です。しかし、それはリニューアルの必要がないということではありません。
時代背景とともに、社会や人の考え方、常識さえも変わるのが、われわれが生きている世の中です。本質的なことは変わらなくても、その伝え方や前提条件、事例などは、時代に合わせた方が、よりリアルに理解できます。そうやって学んだ知識やスキルこそ、より使えるものとして身につくものだと、わたしは考えます。だからこそ、われわれ「伝える側」は、時代の「変わり目」には、その都度対応していかねばなりません。その「変わり目」は、2つあると考えています。
「育児知識の重要性が認識され、子育てを学ぶことが一般化したこと」
「アタッチメントが一般の人に認知されるようになったこと」
10年前はそうではありませんでした。われわれの講座に足を運ぶのは、保育士・看護師・助産師・子育て支援といった専門職の方が大半でした。そうした方々にさえも、アタッチメントという言葉は、ほとんど通じませんでした。

いまは、多くの親が育児知識を得るために、子育てを勉強しています。われわれのような専門職向けの講座に来て学ぶ一般企業に勤める親も増えています。そのため、いまの親御さんは、アタッチメントをはじめ、発達心理学や教育学の専門用語をよく知っています。
こうして、なまじ言葉を知ってしまうと、そのことを理解したような気になってしまうことがあります。そうなると、本当に大事なことが伝わりません。「そんなの知ってるよ」で済まされてしまいます。それが、いま起こっていることです。
われわれ子育て支援は、こうした現状を認識したうえで、それを前提に親対応せねばなりません。多くの専門用語や学者の名前を知っていて、物知りだと自認する親御さんに、それら用語や学者の背景となる理論や、子育てにおける捉え方までを教える必要があります。そういう意味で、本当に難しい時代になっています。
変わり目の対応、ひとつめは「生涯発達」という概念

この「変わり目」に対応するために、「発達心理学」では、あらたに二人の学者とその理論を取り入れ、より深い“メタ認知”によって子どもの発達をとらえられるようにしました。“メタ認知”とは、自分の認知行動を俯瞰的な視点で捉えたり、複数の角度から捉えることによって、理解を深めたり、ものごとを正しく把握する思考のことを言います。
一つ目は、エリク・エリクソンの「ライフサイクル理論」です。このねらいは、「子どもの発達」を、「生涯発達」のプロセスのひとつとして捉えるためです。生涯発達とは、ひとは生涯にわたって発達し続ける存在ととらえるもので、近年注目されるリカレントやリスキリングなどにも対応する考え方です。
二つめは、いまや教育界で大注目の「非認知能力」

二つ目は、ジェームズ・ヘックマンの「非認知能力」です。近年、教育学の分野で注目されている概念で、社会情動的スキルとして、保育所保育指針にも掲げられています。非認知能力は、アタッチメントと深く関係しており、将来の頭の良さや幸せ度に関連することがわかってきています。この非認知能力の敏感期ともいえる就学前の幼児期の発達の理解を深め、幼児教育の可能性をひろげるものとして取り入れました。
アタッチメントは、より専門的に、より多様に

「アタッチメント理論」においては、よく勉強している親御さんが増えていることを受けて、育児セラピストを名乗る育児の専門家として、より専門性を深めた形になります。例えば、これまで「安定型」と「不安定型」としてシンプルにとらえてきたアタッチメントタイプについて、詳細に扱うようにしました。本来は、上の資格であるシニアマスターで扱っていた部分です。さらに、愛着障害に関しても、新たに章を立てて扱っています。
また近年のアタッチメント研究で注目されている「アロマザリング」も追加しました。共働き夫婦の子育てや、シングルの子育てを背景に、あたらしいアタッチメントの捉え方としてのアロマザリングを学び、それを子育て支援にどう活かせるのかについても扱っています。
新コンテンツが刺激となって起こるメタ認知による、より深い理解と解釈

今回の新カリキュラムの執筆においては、わたし自身にも大きな発見がありました。ひとつは、わたしに起きた「メタ認知」です。とくに科目コンテンツを全面的に新しくした「発達心理学」と「アタッチメント理論」では、深いメタ認知が起きたのを実感しています。
例えば、これまでも幼児期の発達について、モンテッソーリを伝えながら、非認知能力の話も交えて伝えていました。しかし、今回J・ヘックマンを科目コンテンツに加えたことで、わたしの中に「意図」が生まれ、その意図は、他の科目とのつながりを生みました。その結果、アタッチメントと非認知能力の形成という文脈で、幼児期の発達を、より複層的に伝えることができました。まさに伝え方のメタ認知です。
愛着障害やアタッチメントタイプの詳述が加わったことで、よりリアルな現場の背景を前提にした講義ができました。さらに、発達心理学にエリクソンが加わったことで、「大人のアタッチメント」を伝える際に、「生涯発達」の概念をベースに伝えることができました。
“前回の私”には理解の及ばなかった次元での理解が、“今回の私”には起こる

もう一つの発見は、「再受講」の価値です。今回の新カリキュラムは、すでにこの講座を受講して資格を取得した方たちが、新しいコンテンツを学んだり、全体を学びなおしたりするために、多くの方が再受講をされています。そうした方々の受講後の声を聞いて、ある発見がありました。
「今回、(既存のコンテンツの中にも)まるで新しいことを学んだときのような発見があった。」
「最初に受講してから、経験を経た今だからこそ、ようやく理解できた箇所が、いくつもあった」
「これまで、それぞれ別の理解をしていた内容が、一つにつながった感じがした」
なぜ、このようなことが、再受講された方々に起こったのか?
ひとつ目の理由は、「経験値」の違いです。学んだ知識を現場に持ち帰って、現場で経験を重ねる。そうすると、より高次の認知が生まれる。ピアジェの言うシェマの同化と調節です。(受けた方には通じるはず・・・)その経験をもって、以前受けた講座を再受講すると、“前回の私”には理解の及ばなかった次元での理解が、“今回の私”には起こる。まさに生涯発達です。
もうひとつの理由は、「人」と「場」の違いです。再受講では、講師も受講生も変わります。たとえ講師が同じだったとしても、前回と今回では、その講師は、時間軸において違う人なのです。人が変われば、「場」が変わります。これが、新たな学びのアプローチを作るのです。わたしが、講座に「人との出会い」を重視するのは、このためです。
育児セラピスト 後期課程(1級)カリキュラム
履修科目 | 時間割 |
---|---|
発達心理学(応用) 発達心理学・ワークショップ コフート理論 コフート式カウンセリング体操ワーク 寺下謙三先生講演DVD視聴・意見交換ワーク | 1日目 10:00 – 17:30 |
アタッチメント理論・応用編 アタッチメントワーク 社会学 社会学ワーク 母性・父性 | 2日目 10:00 – 17:30 |
筆記試験 | |
レポート | 後日提出 |
実際に受講された方々のお声
2級から引き続き、知識を深められた(女性 保育士)
2級から引き続き、知識を深められたこと、ワーク等では他の方々の考えからも学ぶことが多かったです。発達心理学を学びながら、私の育ちを振り返る機会ともなりました。育児アドバイスだけでなく、日ごろのコミュニケーションでもできることもあるため、活用し技術、スキルを磨いていきたいと思います。また今の仕事上でも生かせるようにしていきたいと思います。
とても考えさせられて、難しかったのですがためになりました(40代 保育士)
知識だけでなく、それを生かしたワークもあったのでよかったです。とても考えさせられて、難しかったのですがためになりました。今後学んだことをどう生かしていくかが大切なので、講座で学んだことを参考にして考えていきたいと思います。今回の講座では年齢も職業も性別も異なる人たちと一緒に意見交換できて、とても刺激になりました。参加して良かったです。
私の知りたかったこと、盛りだくさんでした(50代 保育士)
現在の仕事をしていて、今のお母さんお父さんにあてはまることがあり、「なるほど、こういうことか。」と納得することもありました。また自分自身行ってきたことの裏付けができ、安堵したところもありました。もう一度振り返り自分のものにしたいと思います。私の知りたかったこと盛りだくさんでした。大きな学びでした。
受講費用
費用内訳 | 価格 |
---|---|
育児セラピスト 後期課程(12時間) 受講料 | 120,000円 |
育児セラピスト 後期課程(12時間) 認定試験料 | 10,000円 |
受講費用総額 (税別) | 130,000円 |
税込総額(10%) | 143,000円 |
※ 試験の合格通知後に、資格認定申請していただきますと認定証が発行されます。
資格認定申請料 20,000円(税別)
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