「子育て支援」は、「親支援」から

元 高知大学 講師 かわしま 美 さん

所有資格:アタッチメント・ベビーマッサージアタッチメント・食育育児セラピスト2級育児セラピスト2級

川島さんは、高知大学で看護師養成をしている大学講師です。看護師養成や保育士養成を行う多くの大学は、地域貢献の目的で、大学の場を使って、職員、教員、学生などで子育て支援活動をしています。この活動の一環として、高知大学で川島さんが立ち上げたのが、子育て支援団体「アンスリール」です。

「子育ては知識でするものではない」と言われることもありますが、川島さんは、親が適切な育児知識を身に付けることは、非常に重要であると言います。現代は、インターネットの普及によって情報が氾濫していて、育児においても情報の洪水となっています。そんな中で、自分の子育てに必要な知識を選択して取り入れるのは、まさに至難の業です。そのため、親自身が本質的な「育児知識」を身に付けていれば、押し寄せる情報に流されることなく、自信を持って子育てをすることが出来ます。

川島さんは、「ペアレンティング・エデュケーション(PE)」という活動に注目しました。これは、情報・スキル・経験・振り返りという要素から構成される「親支援活動」です。

川島さんは、三ヶ月に一度程度で、二時間二部構成の講義と茶話会をセットにした会を催し、お母さんを中心に地域の方たちに子育ての知識を学んでもらう取り組みを行っています。大学のスタッフや看護学科の学生たちが託児を行うことで、お母さんたちは子どもを預けて、講義に集中することが出来ます。

川島さんは、育児セラピスト後期課程(1級)を修了しており、その知識を活かしてこれまでに「アタッチメント・夫婦のパートナーシップ」、「プロのコツを伝授!子どもの心を大切にするしつけや関わり方」など、お母さんたちの関心事や、子どもの発達をテーマに選んできました。

お母さんは、まず、講師から受動的に知識を学びます。そして、自分の子育てについて、問題や気付きを得ます。さらに、自分と同じお母さんたちの感想を直接聞くことで、「自分だけではない」という安心感を得たり、育児のアイデアを得たりして、自分の子育てについて再発見したり、方向修正したりするきっかけを得ることができます。

茶話会は、参加者同士で、質問したり答えたりしており、お母さんや、講師、学生といった違う立場の人の意見を聞いたり、情報を交換したりする場としても機能しています。

川島さんの素晴らしい点は『育児セラピスト 後期課程(1級)』の学びを現場に活かし、「企画力・説得力・学ばせ力」の三つの視点が、しっかりとプロジェクトに盛り込まれている点です。「企画力」とは、イベントの企画立案とその構成です。「説得力」というのは、学びの背景の持って行き方や説明の仕方です。「学ばせ力」というのは、体験型ワークショップや振り返りなどを意図的に組み込んで、学びをより深めるための工夫です。

川島さんの実践事例は、子育て支援そのものの在り方や行方を模索するために、「何を、どのように進めていくと良いのか」についての道筋を作る参考になると思います。その意味で、すべての子育て支援に関わる方にとって、参考にしていただける事例だと思います。

※ 川島さんは、平成25年3月に高知大学を退職されており、現在は日本赤十字豊田看護大学でご活動をされております。

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